Tuesday, February 12, 2008

Biofuels Deemed a Greenhouse Threat

数日前の2月8日付のニューヨークタイムズの科学欄に、Biofuels Deemed a Greenhouse Threatという記事がのりました。(注:記事を読むにはサイトに無料登録する必要があります。)直訳すると、バイオ燃料は温室効果の脅威になる、というところでしょうか。

最近もてはやされているバイオ燃料ですが、急激に人気が高まったと同時に、懐疑的な見方も実は沢山あります。本当に二酸化炭素排出量が減るのか、(特に途上国における)食料品価格の高騰や環境破壊等の弊害と効果はどちらが大きいのか、等など。色々な研究者が論文やレポートを発表しています。

今までは単純に言うと、バイオ燃料を製造する過程で二酸化炭素が排出されても、生産されたバイオ燃料が二酸化炭素排出減少につながるので、少なくともプラスマイナス0だろう(或いはガソリンよりよっぽどいいだろう)、という考えがありました。よって各国政府が補助金を出したり、新しい規制を作ったりして、国内バイオ燃料の生産量、または輸入量を頑張ってあげようとしています。日本はよく分かりませんが、アメリカもEUもやっています。

しかしニューヨークタイムズの記事によると、バイオ燃料のために農地開拓すると、その土地の開拓後の二酸化炭素吸収量は以前より減少し、バイオ燃料を生産する工程で余計に二酸化炭素が出るので、製造されたバイオ燃料がカーボンニュートラル(プラマイ0)という考えは間違っている、とした研究論文2つが学術的に権威の或る科学雑誌サイエンスに載ったということです。

私の会社ではブラジルの砂糖キビから作るバイオ燃料以外は、環境的にもコスト的にも採算が合わないだろう、という見方が一般的になりつつあります。この記事も、それと同じことを言っています。特にアメリカのコーンからバイオ燃料を製造するのは、全く意味の無い、というか弊害だ、と考える人達も沢山います。補助金がどっさり出ているおかげで、色々なところで問題が出てきています。

これからどうなるのかはまだ未知数ですが、何かサイエンス及びテクノロジー的なブレークスルーが無いと、食料からバイオ燃料を製造するのは弊害が大きすぎる、ということになるでしょう。しかしブレークスルーを見つけるには、多くの人が多額のお金をかけて研究をしなければいけません。そういう意味では、今のようにバイオ燃料が脚光を浴び、企業が補助金欲しさのため、或いは高騰する燃料からの収入を求めて投資をするのは良いことです。その過程でよりよい策が見つかるかもしれないからです。ただ見つかるまでに生まれた弊害・悪影響をどうするのか...。うーん、難しい問題です。私のキャパを完璧に超えています。

Sunday, February 10, 2008

水不足

去年の夏仕事でまたインドに行きました。2006年末に行ったときとは別件で、マイクロ灌漑設備を製造している会社への融資のプロジェクトでした。

融資を検討するにあたり、クライアントの経営状況を分析する以外にも、何故その会社に、そのセクターに融資をしなければいけないのか、ということを説明できなければいけません。その結果、今まで殆ど関わることのなかった、世界の、特にインドの「水不足」問題を考えるよい機会でした。

クレジットスイス銀行のEquity Research部が2007年6月に出版したレポート「Water」によると、2025年までに58カ国(世界人口の64%)が水不足に直面するそうです。世界で水の需要が高まり、供給が全く追いついていない状況です。エネルギー危機よりも、水不足の問題の方が深刻だ、と考えている人達も少なくないようです。

今の組織に入社して一年目インフラ部で働いていたときに、電力や交通設備のプロジェクトよりも、水道のプロジェクトは色々な意味で難しいということを度々耳にしました。ということは、水不足解決もエネルギー不足を解決するよりも難しく、時間がかかるということなのでしょうか。

供給が不足しているということは、需要が満たされていないとうことなので、ビジネス的には投資機会となります。クレジットスイス銀行のレポートも、世界各地の企業が大々的に投資を行っているということを示しています。GE等の欧米の大企業にとどまらず、中堅の企業も含まれています。私が訪れたインドのクライアントも、水不足、特に農業における水不足を解決するソリューションを提供しようと頑張っている企業です。

世界の貧困層の人口の大部分が南アジアに集中しています。インドは国としての貧困度は相対的に低いですが、絶対的な貧民層の数は莫大です。そして人口の大多数が、農業に頼って生活しています。世界人口の16%、家畜の30%がインドに住んでいるといわれていますが、国土面積は2.4%、水資源は4%しか所有していません。これを聞いただけでも、もうやばそうです。

世界の水使用量の7割は農業関連といわれていますが、インドでは更に数値は高く、8割以上とも推定されています。スリランカを拠点とするInternational Water Management Instituteによると、 2025年までにインドに住む3分の1の人々が、深刻な水不足に直面するだろうということです。

それって後17年しかない...。世界規模の水不足を考えると、もうどうしようもない状況のように思えますが(実際にそうなのかもしれませんが)、何もしないわけにはいけません。インドでは灌漑された国土の割合がまだ極端に少ない、更に灌漑されていたとしても効率が悪い(水を使いすぎる)システムが多く使われています。例えばイギリスやドイツ、灌漑設備や海水淡水化の最先端をいくイスラエルの灌漑導入率は100%ですが、インドは僅か5%。日本の数値は分からないのですが、他の先進国の導入率も3割~5割以上が普通のようです。

国土の広さや地形、人口の多さも関係してくるとは思いますが、まず灌漑面積を増やし、そして効率がよりよい設備を設置することで、少しでも水不足の程度を減らすことが可能だということです。もちろんインド政府も危機感を持っていて、2004年の時点でリサーチ結果を発表し、8年間でマイクロ灌漑設備の導入を1700万ヘクター増やすと宣言しました。現在300万ヘクターしかマイクロ灌漑を導入していないのですから、壮大な計画です。具体的には中央政府と州政府がマイクロ灌漑設備購入費用の半分を負担する、というものです(残り半分は農民負担)。

初期投資は割高でも、マイクロ灌漑を導入すると、その他のもっとお金のかからない灌漑(地表灌漑や湛水灌漑)に比べて、水だけでなく、肥料や労働力のインプットが少なくてすみます。2年間で初期投資は回収できると聞きました。

マイクロ灌漑には、点滴灌漑(上の図を参照)とマイクロスプリンクラー灌漑(スプリンクラー灌漑がもっと小さくなったやつ)があります。農作物によって使い分けます。要は、今まで広範囲にわたって水を余分に撒いていたのを、もっと水(と肥料)を浸透させる部分を必要なところだけに集中させ、無駄を防ぐということです。地表灌漑の水利用効率が30-40%、スプリンクラー灌漑の水利用効率が60-70%、マイクロ灌漑(点滴とマイクロスプリンクラー)の水利用効率が80-95%というのですから、大きな違いです。

インドの農民たちにマイクロ灌漑を広めるには、政府の補助金だけでなく、使い方や効果の教育も必要です。クライアントは毎日講習会を開いています。政府の役人も見学・聴講しにくるそうです。この企業はマイクロ灌漑以外に、マンゴジュースや乾燥タマネギの製造も行っており、原材料の供給者である農家と密接な関係を長年育んできたのも強みのようです。この2、3年で急成長し、先進国(米国やイスラエル)の企業を買収したり、アクティブに頑張っています。 ラ米やアフリカにも、もっともっと進出したいと言っています。

融資の期間(ローンの返済)は8年です。8年後灌漑導入が進み、インドの、そして世界の水不足が少しでも改善していることを願います。

Sunday, November 05, 2006

温暖化:スターン報告書

先日英国財務省が温暖化に関する報告書を発表した。調査の中心になったのは元世界銀行VP兼チーフエコノミストのニコラス・スターン卿で、報告書の名前はStern Report (Stern Review on the economics of climate change)。

スターン氏は1994年から欧州復興開発銀行(主に旧共産圏諸国の援助を行っている国際機関)のチーフエコノミストを勤め、その後2000年に世銀のチーフエコノミストに任命され、2003年に英国財務省に移ったようです。因みに日本は世銀にも欧州開銀にも、多額の資金をつぎ込んでいます(リンク参照)。

まだ報告書自体は読んでいませんが、色々とメディアに取り上げられています(長いです。でも要旨も英語ですが、同じページにあります)。温暖化に対する対処を怠ると、2100年には世界は1930年代よりもひどい大恐慌に陥るだろう、ということを訴えているようです。温暖化を放置すれば損失額は2回の世界大戦以上になるとのこと。(>_<)だから、放置する損失額は対処策のコストを上回るから、さっさと対処しましょう、ということらしい。なるほど。リサーチの内容や手法を疑う研究者も沢山いるようですが、英国政府から出版されているので、さすがにはなから無視するわけにもいかない様子です。ブレア首相は、これまで英国政府が出版した将来に関する報告書の中でもっとも重要な報告書だ、と言い切っています。

将来世界のGDPの20%が犠牲になる可能性があるなら、毎年世界GDPの1%を温暖化対策に支出するのは当然でしょう、という論理なのですが、実際に多額の資金を対処策に回せる国はどれだけあるのだろうか、という懸念は払拭できません。温暖化の被害と対処の負担額が、必ずしも一致するとは限らないので(というか全然一致してないはず)、政治的に微妙な問題です。今の世代の税金等の負担額が巨額になっても、最大の恩恵を受けるのは今の世代の曾々孫辺りでしょうか。これから急成長を続ける中国やインド等と先進国との割り当てをどうするかも、問題です。京都議定書を批准していないアメリカをどうするかも!オーストラリアも批准していないらしいですが、批准しなくても自国の温室効果ガスの排出量は目標レベルまで下げられる、という主張のようです。そう、別に議定書に賛同しなくても、自主的にできればいいんですよね。でもアメリカと大違い...。

今回の報告書の是非がどうであれ、色々なところで騒がれてているようです。発表直後、ニュージーランドのキウィフルーツ等の輸入は運送に燃料が沢山かかるので良くない、と英国の政治家がコメントしたらしく、その意図は本当に温室効果ガスを減らそうということなのか、実は自国の非効率的な農産業を保護しようということなのか不透明である、という新聞記事を読みました。この前のGreen FestivalのGrow local, eat local(地元で自給自足)のスローガンもこの流れなんだろうなぁ。

確か小学校で、輸入なしで天ぷらうどん一杯も作れない国日本って習った覚えが...。どうすればいいんでしょうね、日本みたいな国は!

Tuesday, October 17, 2006

パンフレット from Green Festival


こちらはGreen Festivalでもらったパンフレット。これまたものすごい種類があった。右上のThe SnailはSlow Food USAが出版しているニューズレター。Slow Food USAはSlow FoodというNGOのアメリカ支社らしい。日本でもスローフードって流行っていた気が?この組織の発祥はイタリアのようで、ヨーロッパでは結構でっかいらしい。Festivalで流していたビデオにはチャールズ皇太子も登場していた。

てっきり私はスローフードはファーストフードの反語で、ゆっくり食べよう、調理もなるべく低温で料理して栄養を壊さないようにとか、食べ方・調理方法のことを指しているのかと思ったんだけど、それだけでなく伝統料理を大切にしよう、ローカルで栽培された食材を使おう、という意味もあるらしい。アメリカでは学校の給食になるべく地元で調達された食材を使うように呼びかけているらしい...。ふーん。どこがどう良いのか調べてないので、興味のある人はホームページをチェックしてみてください。

左上はFriends Fir Lifeという会社のパンフレット。これが笑えるんだな。犬猫用のヒートパネルを売っている会社らしい!一台500ドルで、リュウマチ、神経痛やストレスに効果的!だそうです。ホントカ。私がブースを通りかかったときには、3人ほど真剣に説明を聞いている人がいました。(・_・)でも何を隠そう私も猫バカなので、人のことはわらえなーい。

もっと過激なのは右下。ニワトリは私たちのお友達...がスローガンのUnited Poultry Concern(この名前もすごいかも)というNGO。ニワトリ愛護団体です。前を通りかかったときは、思わず笑ってしまったけれど、この他にも2つほど似たような団体がブースを出していた。わー。真剣なのね。これを仕事にして食べていける人たちがいるのがすごいかも。養鶏場の環境改善から、ニワトリ&卵を食べるのを止めましょう、まで色々。ブースにはニワトリが閉じ込められている養鶏ケージのサンプルが置いてあったんだけれど、「あ、この間ロシアで見たのと一緒だ!」(-_-;)それを使っている会社に投資したなんて言ったら、殺されるかもって身の危険を感じた私です...。更に養鶏場だけでなく、加工工場も訪ね、そこの食堂でチキンのフルコースまで頂いただなんて、口が裂けても言えないわ。(-_-)世の中色々な人がいるもんだ。

Monday, October 16, 2006

無料サンプル from Green Festival


これは先週末Green Festivalでゲットした無料サンプルです。もっと沢山あったようですが、面倒くさいし、そんな一杯いらないので、これだ
けにしました(というかこんなに)。

全てオーガニックなんですが、ティーバッグ、ハンドローション、チーズクラッカー、洗剤と色々です。洗剤を早速使ってみました。ちゃんと汚れもとれているようです。お値段はいくらなんでしょうね。

でもなんといってもお気に入りはチーズクラッカー(笑)。これだけもっともらってくればよかった。

Sunday, October 15, 2006

Green Festival 緑のお祭り

今日は友達とワシントンDCのコンベンションセンターで開催されているGreen Festivalに参加した。Green FestivalはアメリカのNGO2つが主催しているイベントで、インドネシア人の友人は2年前の第一回目のイベントを見に行ったことがあるらしく、興味があれば一緒に行かないか、と誘われた。

Greenという名前からもわかるように、「環境にやさしい社会やビジネス」を軸にプログラムが構成されているようだ。入場料は15ドルだし、どうせ週末は一日部屋でぐうたらするだけだし、行ってみるか、ということで参加してきました。

イベントは土日の二日間で(1)スピーカーのプレゼン・講義、(2)映画やヨガクラス、(3)メンバー組織・企業のブースで構成されている。結果から言うと、ちょっとがっかりでした。朝11時半から夜の7時半までいたのだけれど。

まず数十人いるスピーカーの履歴を読んでみたけれど、イマイチぱっとしない。友人曰く、二年前のイベントにはボディーショップの幹部やら、色々経験豊か&大物が何人か呼ばれていたそうだが、今回はこれといって目玉なし。実際4つ講義に顔を出したけれど、つまらない。他の講義も大したことがなさそうなので、ヨガのクラスに参加してみた。

今日の収穫は、ヨガのクラスで運動した、試食沢山した(オーガニッククッキー、ドレッシング、チョコレート等など)、無料サンプル(ハンドローション、シャンプー等)を一杯ゲット、最後に見たBlack Gold(黒い金=コーヒー豆のこと)というエチオピアのフェアトレードコーヒーの映画でした。

二年前の主要なテーマは「オーガニック」だったらしいが、今回はどうやら「ローカル」だったよう。Locally grownとかLocal communities、Local Companiesを強調しているスピーカーが目立った。例えばオーガニックフードはlocally grown(地元地域で生産されている)でなければ持続可能ではない、運送に莫大な燃料を使うのはよくない、というお話や、大企業・多国籍企業ではなくて地元の企業をもっとサポートすることによって地域社会の活性化を図ろう、という話があった。その他途上国の債務帳消しをサポートする人や、原子力発電に反対する人や色々いたけれど。皆さんイマイチ説得力に欠けたのは、おそろらくプレゼンのスキル、あるいはカリスマ性の問題だったのかしら。この辺りの議論には疎いので、はっきりしたことは言えませんが。

沢山タダで(入場料15ドルだったけれど)いろんなものもらって喜んでいたけれど、あれ、これって環境にやさしいお祭りなんでしょ、何でこんなにいろんな無駄なものくれるのさ、とふと疑問...。お祭りTシャツもくれたし。布バックを配っていたブースもあった。確かに会場にはちゃんと分別ごみ箱があったり、試食の紙食器は全てリサイクル紙利用だったりしたけれど、絶対配られたあの膨大な量のサンプルやグッズは使用されずに、家庭ゴミになるに違いない。フォーカスは環境や貧困等の問題をつっこんで議論するのではなく、どっちかというと商品のプロモーションにあったのかも?

来年は行かないなー。まあ、私としては映画も見れたし、ヨガもできたし、チョコレートも食べられたし、友達と会えたし、いい経験でした。あれ?(-_-;)

あ、映画はちゃんとしてました。これについてはまた後で。